画像や文字列等、クリップボードにコピーしたものを次々とストックし、後で好きなだけ貼り付けて使用できるようにする、クリップボード機能を拡張するアプリである。
同種の機能を提供するアプリは過去にもいくつか存在していたが、通知センター及び拡張キーボードとの連携でより深くシステムと密着して動作するようになっており、その利便性は従来のアプリとは段違いである。
クリップボードからのコピー操作もアプリ起動から10分以内などという制限もなく、ユーザーは普段このアプリの存在を特別に意識する必要は全くない。
コピーした内容をストックする基本的な手順は下記のとおり。
1.任意の文字列や画像をコピー
2.通知センターを下ろすとコピーした内容がクリップされているので「+」をタップして確定
「2.」の手順が若干煩わしくなくもないが、不用意にストックが増え続けるのを防ぐ措置かもしれない。だとすれば大きなお世話なので、設定で「コピー→即クリップ確定」という動作も可能にして欲しいところだ。
クリップした内容を貼り付けるには二つの方法がある。
一つ目は、通知センターを下ろすと直近のクリップが3つまで表示されるので任意のものをタップしてコピー→任意の場所(例えばEvernoteのノート上)でペースト、というもの。
二つ目がこのアプリのハイライトでもある、拡張キーボードとの連携を利用した操作である。
iOSの[設定]-[一般]-[キーボード]でこのアプリのキーボード拡張を追加すると、クリップしておいた内容を貼り付けるのに特化したキーボードが使用可能となる。
このキーボードに切り替えると、クリップしておいた内容がズラリと表示されるので(通知センターからの場合と違い、直近3つまでという制限はない)、任意のクリップをタップすると現在のカーソル位置に即座にそれがペーストされる。アプリ切り替え操作に煩わされることなくグイグイと貼り付けていけるのはなかなかの快感だ。
また、iOS8の新機能、App Extentionに対応しているので、Webブラウザから任意の文字列を選択コピーすると自動的にそのWebページのタイトルとURL情報もクリップされる。
このため、コピーした文字列や画像を単純にそのまま貼り付けるだけでなく、コピー元のWebページのタイトルやURLを含めて(またはそれだけを独立して)貼り付けることも可能である。
文字列を貼り付ける際のスタイル(引用符を付けてペーストする等)をテンプレートという形で作成することも出来るので、色々と工夫してみるのも面白い。
以上の特徴から、Webブラウズ中に見つけた気になるセンテンスや画像等をストックしておき、後でEvernote等に橋渡しして取りまとめる中継点として絶大な威力を発揮する。
シンプルさが美点であると同時に荒削りな部分(ストックしたクリップを一度に削除できない等)も残されているので、今後の改良・発展に大いに期待したい。
oGMNo about Clips - Copy and paste anywhere with widget and keyboard, v1.1.3